スタッフの健太郎です。
太宰治の“人間失格”を読みました。
「恥の多い人生を送ってきました」
こんなに人を引きつけるフレーズがあるものでしょうか。
以前に読んだ時も、このフレーズが心に刻まれたのを覚えています。
「恥の多い人生を送ってきました」
人間失格の最後の最後まで、このフレーズが全てを表現しているように思えます。
最初から最後まで“暗い”です。
ネチネチしています。
ずっと猫背で下を見ながら、とぼとぼ歩いている人みたいに陰気な感じがします。
かつて三島由紀夫が「 太宰治の鬱屈としたものは、少くともその半分が、冷水摩擦や器械体操や規則的な生活で治される筈だった」と言ったことがある。
三島由紀夫の気持ちも分かる気がする。
でも人間失格を読み進めていくと、無意識のなかで主人公の大庭葉造に共感している自分がいます。
道化する葉造
断れない葉造
気付いたら葉造の言動に共感している自分がいる。
終始暗いストーリーなので、どこかで“救われて欲しい”と思ってしまうけど
最後まで暗い。
キリスト教に影響を受けた太宰治なので、後半には“神”というフレーズも何度も出てきています。
しかし信じきれなかった太宰治にとっては、神に救いを求めきれなかったのかと思いました。
信じることができなかったのかと思いました。
2回目の読了。
またいつか3回目を読んでみたいと思います。